IT導入補助金2025について

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良くご相談をいただくIT導入補助金について、概要をお知らせいたします。

中小企業等の労働生産性の向上を目的として、顧客対応、決済、在庫管理、財務などの各業務プロセスに対して、デジタル化やDX等のためのITツール(ソフトウェアやサービス等)を導入する際に支援が受けられる補助金です。

採択率が7〜9割とかなり高く、効率化の対象となる業務プロセスの数によって最大450万円、補助率1/2の補助が受けられます。

ただ、この補助金は他の補助金制度とは異なり、独特の申請方式をとっていますので以下に解説します。

IT導入補助金

【1】補助金制度の概要

 
IT導入支援事業者が登録したITツール(予めカタログ化されたもの)を導入する際に、1/2または2/3の補助率で補助が受けられる補助金制度です。

他の補助金制度と異なり、IT導入支援事業者が登録したITツールの導入が対象であって、申請者がオーダーメードで独自の情報システムを構築する際の費用を補助するものではありませんのでご注意ください。

ご自身が導入したいソフトやパソコンなどを組み合わせて、システムを構築するのではなく、あくまでIT導入支援事業者が登録したITツール(予めカタログ化されたもの)の導入が対象です。

(インボイス対応類型だけはPCやタブレットの購入費用なども補助対象経費になります)

生産性向上の対象とする業務プロセスの数によって、補助金申請額の下限額と上限額が変わります。(1プロセスのみの時は5〜150万円、4つ以上ある時は150〜450万円)

この補助金制度は採択率が高いことが特徴です。通常枠で7割程度、インボイス枠で9割程度が採択されていて、比較的通りやすい補助金制度であると言えます。

(IT導入補助金の採択率)
IT導入補助金の採択率

(2024年11月募集は残予算が少ないため採択率が下がりました=例外と考えて構いません)

その他、制度の概要については以下の資料を参考にしてください。

(IT導入補助金の概要)
IT導入補助金の概要

【2】独特の申請スキーム

 

IT導入補助金の申請は、導入したいITツールの登録者であるIT導入支援事業者からサポートを受けながら、申請者が申請を行うやり方です。

(IT導入補助金の申請スキーム)
IT導入補助金の申請のスキーム

従って、導入したいITツールが決まったら、そのITツールを登録したIT導入支援事業者へ相談して、そのIT導入支援事業者の指示に従って申請手続きを行うこととなります。

手続きの大部分をIT導入支援事業者がサポートしますので、当事業所のサポートはITツールを比較検討して導入するITツールを決定するまでです。

このように申請者とIT導入支援事業者とが協力して、補助事業の申請から確定給付までを進めることとなりますので、採択率も高くなります。

ちなみに代表的な2つの申請枠である通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)の概要を以下に掲載しておきます。

(通常枠の概要)
通常枠の概要

(インボイス枠(インボイス対応類型)の概要)
インボイス枠(インボイス対応類型)の概要

尚、2025年度は、1月末からIT導入支援事業者の募集とITツールの登録受付が始まり、補助金の公募が開始されるのは3月になる予定です。

【3】悪徳ブローカーにご注意を

 
昨年11月4日の投稿でも紹介しましたが、この補助金制度はたくさんの不正受給が発生していて、目下採択された案件全てに対して追加調査が行われています。

本来、この補助金の手続きは、申請者とIT導入支援事業者とが協力して行うので、第三者が介入する余地はほとんどないのですが、

多数のブローカー的な業者が暗躍して、

ITツールの価格を水増しして請求させ、その水増し分(補助金として受給したもの)をブローカーが紹介料として受け取るキックバックという不正な行為が多発し、大問題となっています。

不正が発覚すれば、補助金は追徴金を加算して返還を求められた上、企業名を公表され、IT導入支援事業者も登録を取り消されるなどの重い処罰が課されます。

IT導入補助金の利用を持ちかけた上、「申請者が費用を負担しなくて済む」というような甘い文言をチラつかせる業者は悪徳ブローカーですから、十分ご注意ください。

当事業所は、国が認定した認定経営革新等支援機関として活動していますから、キックバック等による不正な報酬の請求は決して行いません。