「ITリテラシー」とか「情報弱者」だとか

情報技術(IT)や情報機器の操作が得意でない状態を言い
表す用語として使われてきました。
ところが、この言葉が差別的な意味合いで使われることが
しばしばあります。
 

【1】得意でない人の目線に立てるか?

 
筆者もかつては、
こんな言葉を使っていた時代がありましたが、
現在は一切、
間違っても使うことがないようにしています。

それはなぜか。

かつて、ITコーディネータの資格を取る際に、
繰り返し研修を受けるプロセスで、
これらの用語は普通に使われていました。

それは、上から目線に立つことなく、
必ずしもITが得意でない方々の目線から

情報戦略の立案をお手伝いする姿勢を
忘れないようにするためです。

だから
「その方法はITリテラシーの低い人にも
わかるのか?」

というような使い方をしていました。

ところが、言葉の定義はともかく、
いつしか、これらの言葉が
たびたび差別的な意味で使われるようになりました。

そういう人たちと同一視されるのは困ると考えています。
 

【2】差別用語であってはならない

 
どういうことかというと、

「情報リテラシーが低い」とか「情報弱者」などの
言葉の中には、

「中小企業には、しょせん情報技術を使いこなす能力
なんて知れたもの」

「そんな中小企業とは困った存在だ」

そんなニュアンスが込められることが、
しばしばあるということです。

こともあろうに、自分も中小企業の経営者なのに、
こんなものの捉え方をしている人がいます。

こういう意味合いが伝わってくると、
う〜ん、筆者としてはとても心外に感じるのです。

社会的な弱者に対して配慮するのは
人として当たり前だろうが! と言いたくなる。

知識や技術のある人が、ない人に配慮するのは当然の
ことなのに、

それをことさら問題視して、困りごとのように捉える人
とは、正直、いっしょに仕事をすることは難しいです。

お会いしてお話しすることさえ、ご遠慮したい。
 

【3】技術がもたらすベネフィットが商品

 
技術そのものが、どんなに高くても、
それ自体は商品ではないことを、
あらためてしっかり認識したいですね。

商品として価値があるのは、
その技術が利用者にもたらすベネフィットだけです。

そう考えると、「ITリテラシーが低い情報弱者」は、
「困った存在」どころか「有望なお客様になり得る存在」
だと思います。

以上は、筆者がビジネスを進める上で、
パートナーとなり得るIT関連のサービス企業さんを
選択する時に重視している考え方です。

こういうことを書くと、
IT業界の中には対抗意識をむき出しにする経営者も
いらっしゃるかもしれませんが、

事実として受け止めなくてはならない重要なことだと
思いますので、あえて書かせていただきました。

もし、価値観を共有していただくことができれば幸いです。

クリエイトバリュー 代表 中村 宏

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