最低賃金の引き上げ、貴社は大丈夫ですか?
石破内閣がいらんことやってくれたおかげで、
本年10月1日より、都道府県の最低賃金が全国平均で63円も引上げられることになりました。
法律に沿って、労働局からの指導という形で施行されることになりますので、中小企業も他人事ではありません。
この63円というのがどのくらいの大きさかというと、
年間1800時間(週休2日、1日就業時間が8時間に相当)働いてくれる従業員さん1人当りで、
年間113,400円程度の人件費の増加となります。
仮に正規労働者の就業時間に換算して10人の従業員さんを雇用している会社では、113万円あたりの固定費の増加となり、
増加した固定費分の営業利益は消えてなくなってしまいます。
各々の中小企業は、経営が苦しい中にも関わらず、なんとか工夫して賃上げを行なっているのに、
中小企業の経営の実態を把握したとは決して言えない、首相の自己満足的な賃上指示に筆者も非常に腹立ちを覚えます。
このように最低賃金ギリギリで従業員さんを雇用している企業さんにとっては大変な問題が発生しますが、
該当する経営者の皆さん、対策は考えていらっしゃいますか?
いろいろ調べておりましたが、補助金ではありませんが、助成金でいくつか有効なものがありますので、参考までに一部を簡単にご紹介します。
【1】業務改善助成金
事業場内最低賃金を引き上げ、設備投資等を行なった中小企業に、その一部の費用を助成する制度です。
先週の発表によると、以下の拡充がなされています。
(1)対象事業所の拡大
対象となる事業所が、事業場内最低賃金が「改正後の地域別最低賃金未満まで」に拡充されました。
(従前は、「改訂前の地域別最低賃金+50円以内」)
(2)賃金引き上げ計画の提出が不要に
最低賃金改訂日の前日までに賃金引き上げを実施していれば、賃金引き上げ計画の提出が不要となります。
例えば福岡県の場合、11月16日からが新しい最低賃金1,057円の施工開始日なので、
もし、1,056円以下で雇用している従業員さんがいる場合は、11月15日までに1,057円以上に賃上げを行なって、助成金の申請手続きを行う必要があります。
【2】人材開発支援助成金
職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
中小企業事業主が、正規雇用労働者1人につき、10時間の訓練(*1)(訓練経費10万円)を受講させ、訓練終了後、訓練受講者の賃上げ(*2)を行った場合、7万円が支給されます。
(注1) 人材育成支援コース(人材育成訓練)の場合
(注2)5%以上の賃上げ又は資格等手当を就業規則等に規定し、訓練受講者に実際に資格等手当を支払い3%以上賃金を上昇させた場合
尚、当事業所ではこれまで助成金のサポートは行なっていませんでしたが、
今後は、皆さんからのご要望があれば、できるだけサポートさせていただきます。