ドローンの活用分野とパイロットに必要な技術
ドローンのパイロットには、飛ばす技術に加えて、各々の
産業分野の専門技術が絶対に必要です、これからドローン
の活用を検討される経営者の方々が、仕事の依頼先を検討
するに当たって留意してほしいことを、ドローンの活用分
野を紹介しながら解説します。
「映像撮影用ドローン DJI社-Inspire2 」
【１】測量への活用
近年、様々な産業分野で活用されているドローンですが、
その中で、もっとも活用されている分野は、
「測量」ではないかと思います。
例えば、大きな災害が発生した地域などで、復興計画の
作成のため、
崩落した山の斜面など、人が立ち入れない危険な場所の
測量などに、さかんに活用されています。
この分野では、DGPSやRTKなどと呼ばれる手法で測量
ができる特殊なドローンが使われています。
「DJI社 PHANTOM4 V2 RTK」
こうして得られた正確な位置情報（点群という）から、
専用のソフトを使って地形を３次元CADで立体化して、
地表の面積や土砂の体積などを計算する「３次元マッピ
ング」という手法が使われています。
「３Dマッピング（テラドローン（株）Terra Mapper ）」
【２】設備点検への活用
次に、活用が進みつつある分野として、建築物、鉄塔や送
電線、橋梁、太陽光発電設備などを対象に、
壁面の異常（クラックや剥離などの発生）、発電パネルの
異常、屋根の異常などを、
「赤外線サーモグラィ」などの技術を使って発見する試み
が行われるようになってきました。
「産業用ドローンDJI社 Matrice210RTK」
「赤外線カメラによる太陽光パネルの検査」
【３】農薬散布
従来のラジコンヘリを使った農薬散布に、ドローンが活用
されるようになってきました。
この分野では、国内メーカーのヤマハが、農薬散布に特化
したドローンを販売し販売しています。
「ヤマハの農薬散布用ドローン YMR-08」
【４】消防や警察での活用
火災や自然災害への早期対応や人命救助、交通網の監視や
重要な警備などに、
消防や警察機関を中心に導入が進んでいます。
【５】空撮への活用
現在は、報道や映画撮影、地域の観光資源の紹介やテレビ
コマーシャル用ビデオ作成などの目的で使われています。
従来、ヘリや飛行船などを使わないとできなかった空撮が
ドローンを使うことで、桁違いに低額な費用で実施できる
ようになったことから、
今後、利活用が大いに進むと期待されている分野です。
「DJI社 MAVIC2 PRO」
【６】ドローンのパイロットに求められる技能
ドローンを飛ばすことならができれば、それで仕事になる
かというと、
実は、そんな生やさしく単純な話ではありません。
パイロットには操縦技術の他に、各々の産業分野の専門知
識と技術が必ず必要とされます。
例えば、空撮においては、撮影はもちろんのことですが、
作品を編集する技術についての最低限の知識がないと、
被写体と太陽の位置関係、日照の強さ、霞み具合などの、
映像に多大な影響を与える要素を考慮に入れた撮影はでき
ません。
なので、撮影をするパイロットと、作品を編集する編集者
が役割を分担して協力する映像制作会社も多いですが、
操縦・撮影から作品を仕上げるまで、たとえ１人でもでき
るくらいの知識と技術を持つことが前提だと、
個人的にはそう思います。
以上は、あくまで筆者の経験からの独断ですが、
これからドローンの活用を検討される経営者の方々が、
仕事の依頼先を選択される際の、
重要な基準の１つにはなると思いますので、参考にして
いただければ幸いです。
