ドローンにも点検が必要です。飛行前点検ー空域のチェック
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昨年末から年始にかけて、急いでお伝えしなくてはならない補助金情報を連続でお届けしたので、今回はドローンの話題に戻ります。
さて、自動車と同じように、ドローンも安全運行のために日常の点検や定期点検が義務付けられています。
特に日常点検は、業務でドローンを飛ばす事業者の方にとっては、安全確保の最も基礎となる重要な業務です。
ドローンに求められる日常点検とはどんなものなのか、無人航空機操縦士試験の試験要領を参考に、その概要をご紹介します。
日常点検は、飛行前点検、作動点検、飛行後点検の3つの点検があり、各々点検する項目が異なります。
全てをいっぺんに説明すると大変な量になるので、今回は飛行前点検についてお話しします。
尚、ご紹介するのは無人航空機操縦士試験の内容そのものではありませんので、ご了承願います。
【1】飛行前点検の内容
飛行前点検とは、ドローンの飛行を行う前の点検業務であり、飛行空域の点検と機体の点検の2つを実施します。
飛行空域の点検の目的は、ドローンを飛行させる空域の安全の確認です。
機体の点検の目的は、飛行を開始する前に機体の異常を発見することです。
いずれにしても、異常を見落として飛行させてしまうと、途中で接触や墜落といった大事故につながる恐れがあるので、
多分に儀式的な要素の強いルーチンワークですが、軽く見るわけにはいきません。
【2】空域の点検
ドローンを飛行させる空域が、本当に安全な空域と言えるのか、航空法の遵守事項や気象条件、パイロットの体調などをチェックする点検です。
以下の点検項目があります。
(1)パイロットの位置から見て、右方向、左方向、後方、上空、前方、足元の安全を確認します。
(2)周辺空域に電線や樹木などの障害物、飛行の妨げになる構造物、鋼材を多量に含んだ構造物などがないかをチェックします。
(3)飛行を行う空域が、人の立入管理ができていて、第三者がみだりに侵入することがないかをチェックします。
(4)航空法上、許認可の申請ができていないものがないかをチェックします。
(5)気象条件(天候、風速、温度)などドローンの飛行に影響を与える気象条件でないかをチェックします。
(6)最後にパイロットの体調をチェックします。もし、飲酒明け、寝不足、その他体調不良の場合は飛行は取りやめます。
飛行計画を作成する際には周辺環境の調査は十分行なっていても、調査後に状況が変化しているかも知れないので、
想定通りの安全が確保できているかを、飛行前にチェックするための点検になります。
空域の点検については、参考になる動画がありますので、以下に掲載します。(画像クリックで再生が始まります)
【3】機体の点検
ドローンの電源を投入する前、機体の異常をチェックする点検です。
(1)プロペラ(通常4枚)の1枚1枚に、傷や割れなどの異常がないかをチェックします。
(2)フレーム(機体本体)に歪みが生じていないかをチェックします。
(3)機体識別番号の表示に剥がれなどの異常がないかをチェックします。
以上が飛行前点検です。
無人航空機操縦士試験の際には、必ず試験項目に入りますので、確実に実施できるように、実際に声に出して何度も何度も練習してください。