事業承継M&A補助金について補足します
先日、7月21日にご案内した事業承継M&A補助金の事業承継促進枠ですが、非常に有望な補助金制度なので、少々補足をさせていただきます。
この補助金は、高齢化などを理由に後継者に経営権を譲るために、後継者となる若い経営者を模索している経営者を支援する補助金です。
後継者となる経営者(承継予定者)が、譲り受けた経営資源を活用して取り組む、生産性向上や新サービスの開発などの活動を、資金面からしっかりとバックアップします。
こうすることで後継者不足による廃業を防ぎ、貴重な技術や顧客を失うことなく、若い世代に引き継ぐことを目的としています。
皆さんがお付き合いしている企業さんの中に、後継者を探している経営者の方がいたら、是非紹介してあげてください。
採択率が非常に高い(第11次公募では60%)ので、後継者不足に悩む経営者の方にとっては朗報となります。
【1】事業承継の類型
この事業承継促進枠で対象となる事業承継は、親族内承継による個人から個人への事業承継、または法人の経営者交代(現経営者から役員や従業員)による事業承継が対象です。
昨年までの事業承継引継補助金では、個人と法人間での引き継ぎも対象となっていましたが、今回は対象とはなりません。
さらに、M&Aによる企業買収も対象外です。
【2】申請者の要件
事業承継促進枠を申請できるのは、被承継人(会社を譲る人)です。
(承継予定者=譲り受ける人ではありません)
さらに、この補助金では被承継人(会社を譲る人)、および承継予定者(譲り受ける人)ともに条件が設定されています。
被承継人が個人事業主の場合、被承継人は、開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出してから5年以上が経過している青色申告事業者であることが必要です。
(白色申告事業者や、開業から5年が経過していない方々は対象外となります)
また、外国籍の方も一定の条件を満たせば、申請することができますが、本コラムの主旨から外れますので、詳細は割愛します。
さらに承継予定者(事業を譲り受ける人)についても、以下の4つの条件のいずれかを満たせば承継予定者となることができます。
(1)対象会社の役員として 3 年以上の(経営)経験を有する者(法人の経営者交代の場合)
(2)対象会社・個人事業に継続して 3 年以上雇用され業務に従事した(実務)経験を有する者(法人の経営者交代の場合、個人の親族内承継とも)
(3)対象会社に雇用され業務に従事した(実務)経験を通算 3 年以上有する者(法人の経営者交代の場合)
(4)被承継者の親族であり、対象会社の代表の経験が無い者(個人の親族内承継の場合)
尚、個人の承継予定者へ事業承継を行なった後、その個人が改めて法人化などを行うことについては何ら差し支えないということです、
【3】設備費の対象範囲(補助対象となる費用の範囲)
この補助金の設備費について補足します。
設備費には以下のものが含まれます。
(1)国内の店舗・事務所等の新築工事、増築工事、改築工事、外構工事、外装工事・内装工事費用
(2)国内で使用する機械装置・工具・器具・備品の調達費用
(3)事務所・店舗内で補助対象事業のみに使用する固定電話機、FAX 機、複合機の調達費用
(4)生産性向上等に係る取組の具体的な内容に記載された事業のみに利用する特定業務用のソフ
トウェア
尚、昨年までの事業承継引補助金にあった、物件を(賃貸)契約する際の店舗等借入費は、本年度の本補助金からは記述がなくなりました。
以上、補足させていただきます。