採択率を上げるために「加点要素」を活用する!

友だち追加 (LINE公式アカウント)
 
以前も少しお話ししましたが、補助金の採択の確率を高めるための「加点要素」のお話しです。

実は補助金は、公募が開始される前から、(少し時間をかけて)計画的に準備するのと、

公募開始後に準備を開始するのとでは、採択される確率が全く違います。

それはなぜなのか、なぜ公募が始まってからでは採択されるのが厳しいのか。

その理由の1つは、申請に必要な事業計画書の作成に時間かかるだけではありません。

審査の評点を上げるための「加点要素」の取得に、多くの時間がかかるためです。

補助金制度をよくご存知ない方々には、何のことかよくわからないと思いますが、

非常に重要なことなので、今回解説をさせていただきます。

【1】加点要素とは

 

補助金は申請者が作成した事業計画同士のコンペ(競争)です。

事業計画の内容に応じて評点が付けられ、上位のものから採択がなされます。

加点要素というのは、その評点を上げるためのもので、

各々の補助金制度の主旨に合わせて、独自の加点項目が設定されています。

例えばものづくり補助金第20次公募では15個の加点要素が設けられています。

(ものづくり補助金の加点要素)
加点要素

ものづくり補助金ではこれらの加点項目の中から、最大で6個を選択して申請することができて、

申請時に選加点要素をできるだけ多く取ることで、採択される確率が上がる仕組みとなっています。

(ものづくり補助金の加点要素と採択率の関係)
ものづくり補助金の加点要素と採択率の関係

従って、ものづくり補助金を申請する多くの申請者(皆さんの競争相手)は、

これらの加点項目の中から1つでも多くの加点要素を追加しようとしてきます。

【2】加点要素を取得するためには準備が必要

 

各々の加点要素には取得するための条件があります。

例えば、上の表のNo.1の経営革新計画を選択したい場合、都道府県知事から経営革新計画の認定を受け、認定証を発行してもらわなくてはなりません。

福岡県の場合、この経営革新計画の申請は毎月25日が申請の締切で、翌月に審査が実施されて、翌々月の5日に認定証が交付されます。

今公募中のものづくり補助金第20次公募の受付締切は7月25日ですから、

経営革新の認定証は遅くとも7月5日に入手しておかなくてはならず、そのためには5月25日の申請がマストになります。

さらに福岡県の場合、経営革新の申請前に、経営革新計画の策定指導員から策定指導というレビューを事前に受けなくてはならず、

この策定指導に最低でも5日間の余裕が必要になります。

【3】申請したい補助金制度を研究して準備をする

 

このように、ほとんどの加点要素は、取得のためにはそれ相当の準備期間が必要になります。

(例外的にパートナーシップ構築宣言のように、短時間で対応できるものもありますが)

くるみん認定やえるぼし認定など、年単位の活動をしていないと認定が取れないものもあります。

また、ものづくり補助金以外の、小規模事業者持続化補助金、事業承継M&A補助金、新事業進出補助金、省力化投資補助金など、

多くの補助金制度についても各々の主旨に応じて独自の加点要素が設けられていて、

加点要素を申請時に選択することで採択の確率が上がるのは全く同じ事情です。

もちろん、事業計画そのもの出来が非常に良い場合は加点がなくとも十分に採択されるレベルになりますが、

多くの場合は加点を取っておくに越したことはありません。

なので、補助金申請をする際は、その補助金制度の過去の公募回の公募要領などを読んで(調査して)、

必要な加点項目を取得するための取り組みを行うことをお勧めしています。

これが補助金の申請に当たって、計画的な準備をお勧めしている理由の1つです。