補助金はどんなものに使えるのか?

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補助金は国の中小企業施策の一環として制度化されているもので、事業の拡大や拡充のための機械設備やシステムの構築などの費用を、国が補助してくれる制度(投資のようなもの)です。

補助金の種類によって補助対象となる経費が違いますが、代表的なものを解説しておきます。

【1】補助対象は資産性のあるもの

 
各補助金制度に補助対象となる経費には違いがありますが、ここでは共通することを解説しておきます。

補助金の対象となるのは、原則として「資産性のあるもの」です。つまり、今後数年に渡って使うことができる設備やシステムのようなもの(生産財)が対象となります。

ただし例外的に、持続化補助金ののように販路開拓を目的とするものでは、開催する展示会やセミナーなどの運営費を対象とするものもあります。

反対に、人件費、旅費、材料費、などの消えてなくなるもの(消費財)は対象とはなりません。また、不動産の購入費用や賃貸契約の経費も対象とはなりません。

<ものづくり補助金の補助対象経費>

ものづくり補助金の費目

【2】どんな経費が給付の対象となるか

 

各補助金制度で少しづつ違いがあるので、正確には各補助金の公募要領を見る必要がありますが、それには結構時間がかかるので、おおまかに説明しておきましょう。

ただし、申請の準備では、各補助金の公募要領を必ず確認してください。

(1)機械装置

いわゆる機械や装置です。工場で使う生産機械、店舗で使用する空調や冷蔵設備、補助事業のための特殊な用途で使用する映像撮影装置、展示装置、検査装置などが相当します。

尚、省力化投資補助金では、省力化のためのロボットやIOT機器のうち販売事業者がカタログに登録している商品が対象となります。

いずれの場合も、太陽光発電のための太陽光パネルや蓄電のための電気設備、公道を走行できる自動車は対象とはなりませんのでご注意ください。(自動車の改造のための経費は対象になります)

(2)システム構築費用

補助事業のために使用するシステムを構築するための費用(システム構築会社に支払う費用)です。自社で開発を行う際の人件費は対象とはなりません。

ただし、補助金によっては申請できる金額に制限のあるものがあります。例えば、持続化補助金の本年度募集では、システム関連の費用はWeb関連費用としてまとめて、補助金申請額の4分の1を超えないように申請しなくてはならなくなりました。

尚、IT導入補助金などでは、購入できるアプリやシステムを登録している事業者(IT導入支援事業者)がカタログに登録している商品が対象となります。

(3)建物費

事業再構築補助金などでは、新規事業を開始するための店舗の改修費用を計上することができます。

ただし、不動産事業やレンタルやリースなど自社での使用ではなく、第三者に使用させることを目的としたものは対象とはなりません。

(4)宣伝広告費

各補助金で内容にかなり違いがありますが、概ね、セミナーや展示会などに出展するための展示費用や、チラシやパンフの制作・印刷費用、広告(ネット広告を含む)費用、展示会で配布するノベルティなどの費用が該当します。

ただし、チラシやパンフ、ノベルティなどの配布物に関しては、実際に配布した数のみが対象となります。

(5)専門家経費

補助事業を実施するために、社外の専門家にコンサルティングなどを委託するための経費です。支給基準が決められており多額の金額は使えません。あくまで国の基準による謝金程度と考えてください。

(6)知的財産関連費用

特許や商標権などを利用するための技術料や、弁理士に支払う費用などが該当します。(各補助金によって範囲や区分に違いがあります)

(7)委託費・外注費

他の費目に該当しないもので、外部の業者に制作を委託する必要のあるものを計上するための費目です。

ただし、補助金制度によっては、同時使用できる費目に制限があったり、全体の補助金申請額の中での割合が決まっているもの等がありますので、詳細を各補助金の公募要領で確認しておきましょう。

委託費・外注費は一見便利に見える費目ですが、不正利用の可能性も大きいので、使用に当たっては厳格なルールが決められていますのでご注意ください。

その他の費目については、各補助金の公募要領をご確認ください。

【3】専門性が高いことが条件

 

全ての補助金に共通することですが、導入(購入)するものは計画している補助事業にのみ使用するものでなければなりません。

同じ理由から、パソコンやプリンタ等の汎用性の高い(他の用途にも流用可能な)品目は補助金の対象とはならないのでご注意ください。

補助事業のために必要な専門性の高い装置として、必要性や導入効果を具体的に説明して事業計画書を作成する必要があります。

他の目的で使用すると目的外利用として採択取り消しとなり、給付を受けた補助金も返還しなくてはなりませんのでご注意ください。

次回は、補助金を申請する際の準備についてお話をする予定です。