「情報」と「誠意」の、どちらを伝えるべきか?

2016/03/22

「『休みます』新人社員の紙対応」というサラリーマン川
柳に対する、ある会社の管理職6名と若手社員6名の感想
会での意見が、NHKのニューズ番組で放映されていて、両
者の意見の食い違いが大変興味深いものでした。

若手社員は「紙で出す方が丁寧だから良い」、一方、管理
職は「せめて電話だろう」と。この両者の意見に、コミュ
ニケーションに対する姿勢の違いがはっきり出ています。

若手の意見は「情報」を伝えることに重点を置いたもので
す。だから、文書で伝える方が丁寧で良いという考え方。

一方、管理職は、自分が休むことで同僚にも迷惑をかける
ことへの「思い」も伝えろ、という意見だと感じました。
だから、せめて肉声による電話が必要と。

(個人的には、若手の意見は「言い難い事を面と向かって
言えないだけでは?」とも思いましたが(笑))

このNHKの報道の件はともかく、これからが今日の本題で
す。

「情報」を伝えれば良いことと、「思い」を伝えなくては
ならないことと、どちらに重点をおくべきかを、きちんと
わきまえて、最適なコミュニケーションのやり方を工夫し
なくてはならないと、あらためて強く感じた次第です。

メールやメッセージのようなデジタルな手段を使うのが良
いのか、電話や肉筆の葉書やメモを使うのが良いのか。

また、効率的かつ正確に要点を伝えるのが良いのか、時間
をかけてゆっくりと伝えるのが良いのか、TPOに合わせて
考えなくてはなりません。

この当たりが食い違うと、コミュニケーションそのものが
成り立たないし、受け手に誠意を感じてもらうこともでき
ません。

しかも、その善し悪しを評価するのは、発信側ではなく受
け手側です。商談でも、ここを間違うと、お客様にものを
買ってもらうことなど、とてもできませんよね。

また、社内で普段できていないことが、社外のお客様に対
してできるはずもなく、最悪の場合は、お客様に迷惑をか
けていたり、不快な思いをさせていても、自律的に気付か
ないかも知れません。これは会社としては大変怖い事です。

特に、その中でも「お詫び」は顕著なケースでしょうね。
「デジタルで正確に」とか「効率良く」なんて、万が一に
もそんな事務的な対応すれば火に油を注ぐこともあります
。大切なのは迷惑をかけた相手に対する「思い(誠意)」
を伝えることですからね。

こういうコミュニケーションのセンスは、年齢やITのスキ
ルの高さとは全く関係がありません。自分が1人の人間と
して社会を関わりを持つ以上、常に周囲からそのような目
で評価されているということを自覚して、協調し、つなが
る努力をすることで磨くべきものだと思います。

クリエイトバリュー 中村 宏

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