ITを担当させるスタッフの育成方針

【1】ITスタッフに求められる資質とは?

 
以前、会社の経営に本気で立ち向かっている人と
そうでない人を見分けるキーワードについて
お話ししたことがあります。

「お客様創り」という言葉に対する反応でした。

今回は、「IT を担当させるスタッフ」を置く場合の
担当者の資質を見分けるためののお話しから。

実は、経営者のみならず、
中小企業で「ITを担当」するスタッフを置く場合、

ITスタッフの人材育成の方向性が、
会社の戦略立案力に直結します。

それはなぜかというと、ITスタッフは、
経営課題の解決のため、ITの技術を選択するという
「橋渡しの役目」を果たすからです。

「いや、うちは純粋に技術だけを任す」という会社は、
(社長が情報技術に詳しい方である場合は別ですが)
普通はありえない。

よって、技術が詳しければ良いというものではなく、
「IT専門の参謀」=社長の片腕でなくてはなりません。
 

【2】「お客様創り」の重要性を理解しているのか?

 
ところが、
多くの中小企業のITスタッフの方々とお話しするたびに、
唖然とさせられることがあります。

それは・・・、

ドラッガーも言っているように、
「お客様創り」は、会社経営の目的そのものであり、
非常に重要な戦略目標なのに、

業務効率化とか、情報共有とか、顧客管理というような
やや戦術的なものと同レベルで捉えている、というか、

戦略と戦術の区別ができていない人が
あまりにも多いこと!

まる二次元で書かれた等高線図を上から見て、
理屈で山が高いとか低いとか議論しているのと同じで、

これでは自社の会社経営の課題や問題が
「立体的に見えている」とは、とても思えない。

現場が直面している痛みや喜びを知らなさ過ぎ!
さらに経営に関する勉強も全然足りてない。

知識だけしかないはずなのに、
「そんなこと知ってますよ」という表情。

あんた何、その横着な態度?
もっと謙虚に人の話を聞いたらどうですか?

と言いたくなることが多々あります。

そんな「頭デッカチ」状態では、
経営者と課題意識を共有することなどできないので、
とても「橋渡し」など行うことはできないでしょう。

このことが大きな問題なんです。

こんな人は、
技術起点でしかものごとを捉えることができない人です。

経営において一番大切な
「人の心の動き」に関心を持てない人でもあります。

こういう人には、
例えばですが、自分のセミナーにも来てほしくありません。
 

【3】ITスタッフ育成の方向性について

 
中小企業の経営者の方で、
自社にIT専門の部門やスタッフを置かれて、

技術的な問題解決をさせる場合は、
そういうスタッフの方々には
「経営の勉強」もきちんとさせるべきだと思います。

最低でも「お客様創り」とキーワードを聞いた時に、

「自社の情報戦略にどんな影響があるのか」

耳がピンと立つくらいの感受性を持つことは
最低限でも必要です。

技術にしか興味を持たないITスタッフはNG。

自社の現場の実態を知ろうとしないで
知ったかぶりするITスタッフもNG。

技術は自分が一番だと天狗になるITスタッフもNG。

経営者や現場と向き合うことができるような
戦略スタッフを育成することを、

経営者が自ら行う仕事の1つとして、
是非ご検討いただければと思います。

クリエイトバリュー 中村 宏

“セミナー"/