業務では加入が義務となるドローン保険とは?

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ドローンの場合は、自動車と違って自賠責保険というものはありません。しかし、ドローンの安全運行を費用面で担保するために損害賠償責任保険と機体保険というものが制度化されており、これらの保険への加入が推奨されています。

また10月28日のコラムでご紹介したレベル3.5飛行もそうですが、損害賠償責任保険への加入は飛行許可の承認を受ける際の必須条件にもなっています。業務でドローンを飛ばす際は必ず加入してください。

【1】損害賠償責任保険と機体保険

 
筆者はDJIの損害賠償責任保険と機体保険に加入しているので、この保険制度を例に概要を説明します。

まず保険期間については、損害賠償責任保険と機体保険ともに、保険に加入してから1年間となっています。

損害賠償責任保険は自動車で言う任意保険に当たるものです。自動車保険の場合は、対人保証と対物補償が別の枠になっていますが、DJIの損害賠償責任保険では、対人保証と対物補償を合計して1億円までの保証となっています。

機体保険は自動車の車両保険に当たるものです。機体の修理費用を保証してくれるものです。ただし、重要な注意事項が1つあって、それは機体をきちんと回収できることが保険適用の必須条件になっていることです。

従って、誤って海などに水没させたり、立ち入り禁止区になっている山林などの中に墜落させたりして機体が回収できない場合は機体保険は適用されないのでご注意ください。

尚、自動車保険の付帯条項の中に、ドローンによる事故を保証してくれるものがありますが、業務での事故は保証の対象外となっているのでご注意ください。自動車保険の場合は、あくまで日常生活の中での事故のみが対象となります。

【2】保険の加入がないと飛行許可はもらえない

 
航空局に飛行許可を申請する際、飛行の内容に関わらず損害賠償責任保険への加入は必須事項となっています。

(10月28日のコラムでご紹介したレベル3.5飛行でも、保険の加入が飛行許可承認の申請要件になっている)

余談ですが、ご自身でドローンを保有せず機体をレンタルして利用する場合においても、レンタル会社の方で損害賠償責任保険への加入を行っており、万が一の事故発生時に費用面での補償ができる機体を貸し出ししています。

またドローンの場合、自動車と異なり自賠責保険の制度はないので、会社の業務でドローンを活用する際は、ご自身で予め損害賠償責任保険に加入し、万が一の事故に備えることは事業者としての最低限の責任です。

損害賠償責任保険への加入は、是非ご留意ください。

【3】保険料について

 
筆者の例を参考までにご紹介すると、

損害賠償責任保険の保険証(抜粋)については、PHANTOM4 Pro V2.0の場合(機種によって保険料が異なる)、年間4,900円で対人と対物と合計で1億円の補償をしてもらえます。

<DJI 損害賠償責任保険の概要(抜粋)>
DJI損害賠償責任保険

また、機体保険については、PHANTOM4 Pro V2.0の場合(機種によって保険料が異なる)、年間16,400円で208,000円までの修理費用を補償をしてもらえます。

<DJI 機体保険の概要(抜粋)>
DJI機体保険

実は、筆者もつい先日、練習中に強風に煽られてコントロールを失い、近くの立木に接触して墜落させ、カメラがジンバルごともげてしまう破損事故を経験しました。

<墜落事故の結果、破損した機体>
墜落事故

かなりの重修理(修理費用13,800円)だったのですが機体保険を適用して修理をすることができました。もう生産が終了した機種で、新しいものは手に入らないので、修理ができて本当に良かったと思います。

尚、損害賠償責任保険と機体保険も、ドローンの機種ごとに保険料が全然違うので、必ずご自身が保有している機体で見積もりを取ってください。