予告!「ドローンで幸せ社会」プロジェクト始動!
(LINE公式アカウント)
ドローンの普及が進み、DJI社などのメーカーからは非常に高性能なカメラ(赤外線カメラやズームカメラ他)を搭載した機種が次々と発表されています。
これを受け、ドローンはこれまでの空撮利用にとどまらず、さまざまな産業分野で活用されることが期待されていますが、
筆者の市場調査によると、特に建物点検の業界内部では、まだまだドローンの効果が十分に認知されているとは言えない状況です。
このため、点検業務の精度を上げるための基礎パラメタを収集したデータベースを開発して普及させて、点検業界におけるドローンの普及を促し、
社会インフラの安全確保などの問題解決を目指すため「ドローンで幸せ社会」プロジェクトを発足いたします。
【1】点検業務への期待
高度成長期に建築・建設されたビルや橋梁、道路などの社会インフラの多くが、急速に老朽化を迎えていて、崩落事故などが急増していますが、
一方で、改修工事のための予算や要員の確保が大きな障害となって、社会インフラの安全確保が大きな社会問題となりつつあります。
このような状況の中、高性能なカメラ(赤外線カメラやズームカメラ他)を搭載したドローンが次々と市場に投入され、多くのインフラ点検においてもその効用が非常に期待されています。
ドローンをうまく活用することで、赤外線カメラやズームカメラなどを使った非接触なやり方で建築物の劣化部分を判別することができるため、
足場の構築や転落の危険性がある高所作業を減らすことができ、調査期間を従来よりも大幅に短縮することができます。
これによって、建設業界の内部で深刻化しつつある人手不足を解消し、調査費用を低減化する効果が期待されています。
【2】実際、認知されているのか?
筆者が1年ほどかけて調査をしたところ、現実は、多くの一級建築士やゼネコン、改修工事事業者等の点検業界関係者の間では、まだまだドローンの効果が十分に認知されているとは言えない状況でした。
その原因をずっと探っていましたが、最近ある結論に至りました。それは、補修・改善工事の見積もりに使用できる精度を持つ報告が、まだそれほど多くないということです。
一例を挙げると・・・、
ドローンによる点検(特に赤外線を使った点検)では、ドローンを飛ばして撮影しただけでは劣化箇所の特定はできません。さまざまな撮影条件によって、劣化部分の映り方が全く違うからです。
そのため、撮影した赤外線画像を専用の解析アプリを使って画像解析を行うのですが、ここで解析を行う技術者の経験値によって大きな差が出ます。それが画像解析の結果(報告書)の精度になって現れます。
つまり、参入しているドローン事業者は多いけれど、経験値を蓄積している事業者はそれほど多くはないということです。
しかし一方で、外壁点検で信頼ある実績を出している技術者が少数ながら確かにいます。その1人に実際にお会いして詳しく話を聞くことができました。
そこで明かになったことですが・・・、
その技術者は、予め、季節、時間、壁面の方向などの異なる撮影条件ごとに、外気温、風速、湿度、壁面温度などを記録し、その時の赤外線画像を合わせて収録して、基礎パラメタとして利用できるようにしています。
点検の際に撮影した赤外線画像を、これらの基礎パラメタと照合することによって、理論的な根拠を持って劣化部分の特定を行なっているわけです。
残念ながら、大半のドローン事業者はこんな手間のかかるプロセスを踏んでいるとは思えません。それが点検結果の精度の差として現れているのだと思います。
【3】解決策
この基礎パラメタをデータベースとして一般化し、経験値の浅い技術者でも撮影した赤外線画像と照合することができれば、経験値の不足を補って高い精度で劣化箇所の特定ができるはずです。
このようなデータベースが一般的に利用できるようになれば、赤外線カメラを使った点検の報告書の精度は向上しますので、点検業界、改修工事業界等の関係者も注目してくれるに違いありません。
そこで、壁素材の種類ごとに、季節、時間、壁面の方向などの撮影条件を変えながら、外気温、風速、湿度、壁面温度とその時の赤外線画像を収録し、
赤外線画像解析ソフトで解析できるR-JPGのデータベースを整備し、普及させる活動を行いたいと考えています。
今後、高度成長期に建設された多くのビルや建造物が急速に老朽化の時期を迎え、インフラの安全確保が大きな社会問題になるはずですから、
このようなデータベースを利用してドローンを使った点検の信頼性を向上させることは、社会インフラの安全確保の大きな力となるはずです。
【4】クラウドファンディングの立ち上げ
このようなデータベースの整備を行うには、異なる季節ごと、異なる外壁素材ごとに(ドローンを飛ばして)データを収集し、解析して整理しなくてはなりませんので、かなりの時間がかかります。
また、データの収集に使う機材も、赤外線カメラを搭載したドローン以外に、
地上撮影用赤外線カメラ(主に低層階のデータ収集用)、壁面温度が計測・記録できるデータロガー、携行用バッテリー、RTKなどのドローンの航行の安全を確保する装置も揃えなくてはなりません。
こうなると明かに筆者の事業所が単独でできる事業規模を超えます。
そこで業界の関係者とチームを組んで、「ドローンで幸せ社会」プロジェクトとして活動を立ち上げたいと考えています。
クラウドファンディングで資金を調達した上で、補助金の活用も行ないたいので、クラウドファンディングをサポートしてくれる事業者と相談を始めました。
正式にスタートするまでには、もう少し時間がかかりますが、準備が出来次第ご案内いたしますので、もし賛同してくださる方がいらしたらご協力の程、よろしくお願いいたします。