ITを導入する際、経営者がやるべき率先垂範とは?

2016/03/22

中小企業の現場で新しいITを導入する際に、「どんな使い方を
しようか?」とか「何に使えるかな?」みたいな悩みがあるう
ちは、決して手を出さないようにした方が良いという話をしま
す。

少し前、新型のiPadが世の中に登場した時など、このような声
をよく聞きました。それまでと異なったイノベーションが起こ
ると、ITの分野では必ずこのような現象が見られます。

「手を出さない方が良い」理由は明確で、現状の問題点の特定
や解決のための目標設定ができていないうちにシステムを導入
しても、成果を出すことはまずできず、多くの時間と費用を無
駄にすることになるからです。

成果が出ないどころか、「せっかく導入したのだから、自分達
で使い方を考えて活用しろ」なんて話になると、社員にとって
はたまったものではありません。マイナスのモチベーションを
感じさせることになり、大きな抵抗勢力になりかねません。

何度も書いて恐縮ですが、「モノありき」の考え方では、絶対
に上手く行かないので、どんなに小さい目標でも構わないから
、「全員でこれだけはやれるようになろう」という明確な目標
を全員で共有してからシステムの導入を始めることをお勧めし
ます。

この「小さな目標設定」という役目を果たすのが経営者です。
何も具体的な操作や機能を勉強する必要はありませんので、全
員で目標が共有できるように、是非リーダーシップを発揮して
いただければと思います。

小さな目標設定さえできて、登るべき山が決まれば、後は社員
にルートの選択(個別の操作学習)は任せても構いません。そ
して、決して短期間で結果を出そうとせずに、継続して取り組
ませることで(その間、がまんが必要ですが)、確実に成果が
出るように見守ることです。

これが中小企業の現場でITを導入する際、経営者が行うべき率
先垂範の具体的なスタイルです。社員の動機付けが上手い社長
さんは、このあたりの役目をよくわかっておられて、実践され
ています。

ある程度組織の規模があり、情報関連を専門にサポートできる
部隊を持っている会社なら、「まず使わせてみて」というやり
方もありますが、多くの中小企業では、そんなサポートができ
るスタッフはまずいないと思います。

是非参考にしていただければと思います。

クリエイトバリュー 中村 宏

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