ホームページのアクセス解析入門2
【1】「コミュニケーション戦略の成果」を評価する
昨日からGoogleAnaliticsを活用したアクセス解析の使い方
を解説していますが、
実は、各指標の意味を学問的に理解してもらいたくて
お話しをしているわけではありません。
経営者として理解していただきたい最も重要なことは、
アクセス解析の指標を使うことで、
「自社がねらったコミュニケーション」が
どの程度できているのか、
という評価を行って改善点を見つけるということです。
検索順位を上位に持ってくるSEO対策にしても、
「見てもらって、知ってもらう」ことで、
来店してもらうという「集客の効果」を高めることが
本来の目的です。
だから「何をすれば、人がどう変わるのか」を知ることは
戦略上、とても大切なことなのです。
アクセス解析はそのための実践ツールです。
【2】販促活動の改善にアクセス解析の指標を使う
Google Analiticsを活用したアクセス解析で何がわかるのか、
少し例をあげて解説しましょう。
(1)店内にいる滞在時間がわかる
1度のセッション(来店のことです)で、どのくらい
店内にとどまっているかを、
セッション時間を見ることで評価することができます。
ホームページを改良したのにセッション時間が伸びない、
あるいは減る傾向にある場合は、
以前のページの内容に比べて、「利用者から見た魅力」が
減っていることが読み取れます。
(2)新規客の集客効果がわかる
説明する必要もないと思いますが、新規の見込み客を発掘
することは、ネットを使ったマーケティングの重要な課題
です。
新規訪問数と既存客の訪問数の割合の変化を見ることで、
新規の集客の成果が出ているかどうかを評価することが
できます。
(3)既存顧客のリピートの割合がわかる
逆に、既存顧客の再来店率を高めて、リピート購買を促進
したい時、
新規訪問数と既存客の訪問数の割合の変化を見ることで、
既存顧客のリピート訪問がコントロールできているか
どうかを評価することができます。
(4)人気のあるページがわかる
商品やサービスごとにページを分けている場合、
各ページごとのページビューや訪問数などを相互に比較
することで、
利用者がどのページに反応しているかを知ることができ
利用者の興味や関心の程度を知ることができます。
最も力を入れて集客をしたい商品やサービスへの訪問が
ねらい通りに行えているのかどうか?
を評価することで、広報戦略を改善するための材料に
なります。
(5)どのくらいの時間、商品を見ているかがわかる
ページ当たりの平均滞在時間を見ることで、
利用者の興味や関心の強さを知ることができます。
滞在時間が長いほど、「真剣に集中」して情報収集を
してくれていることが読み取れます。
申し込みなどへのコンバージョン率も上がるはずです。
反対に、滞在時間が短い場合は、
気付きや、興味はあっても、
情報収集までには進み難い傾向が読み取れます。
ページの内容に改善を加える必要があることは、
言うまでもありません。
(6)最初の訪問ページで与えるインパクトがわかる
筆者は、ランディングページと同じような考え方で、
各ページはできるだけ自己完結させています。
だから、ページ間の移動はあまり重要視していません。
しかし、多くの会社がやっているように、
トップページから商品のページ、そこからプロフィールの
ページ、さらに申し込みのページへと、
関連するページに誘導する戦略をとっている場合は、
利用者に最初のページで離脱されては大変困ります。
直帰率という指標を見ることで、そのページが訪問者を
引きつけ、次のページに誘導する力を発揮しているかを
評価することができます。
(7)来店者の動線がわかる
利用者が最初に見た商品(ページ)から、どの商品の
コーナー(ページ)に移動していったか、
利用者の関心の変化と、それに伴う動線を知ることが
できます。
関連ページへと誘導する戦略を取っている場合は、この
データを見ることで、
ねらい通りの販促活動ができているのかどうかを評価する
ことができます。
【3】アクセス解析を活用する意義について
ここまで読んでくださった方は、
アクセス解析というのは情報技術の話題ではなく、
販促活動を評価するための重要なツール
だということが十分おわかりいただけたのではないかと
思います。
アクセス数が増えたとか減ったとか議論は、
自分たちが行った取り組みの成果を、見える化して評価
する時に初めて意味を持ちます。
前回と今回の解説で、入門レベルながら、
「どんなねらいがどんな指標を使えばわかるのか」
ご理解いただけたと思いますので、是非ご活用いただき
たいと思います。
クリエイトバリュー 中村 宏